この世の未練

 

 

「さぁ、お前の肉体を俺に明け渡すんだ・・・」

「わかった、いいよ」

「マジかよ!お前、物分りがいいな!!」

「だって、あいつ煩いし・・・(ぼそり)」

「は?」

「まあ気にしないで」

「まあ・・・じゃあ早速だがお前には消えてもらおっかな!!短い間だったがお前のことは忘れない

ぜっ!じゃあなっ!バイビー!!」

 

 ―――・・・

 

「・・・ん?」

「?」

「・・・・・・ん?」

「?」

「・・・・・・んんんん!?」

「・・・何かあったの?」

「なんだこりゃあ!?お前の魂が消えねえ!」

「は?」

「くそっ・・・・・・!・・・・・・お前、この世に未練があるんじゃねぇか?」

「未練?」

「口では『いい』なんてぬかしながら、心がそれを拒んでやがる」

「・・・未練、未練・・・そうか」

「何かあんのか」

「あの馬鹿を置いていったら世界の害になるしな・・・」

「は?」

「やっぱり俺しかいないのか・・・?あの馬鹿のストッパーになれるのは・・・」

「何の話をしてやがるんだよ」

「肉体を明け渡したら・・・あいつの世話を代わってもらえると思ったのに・・・そう都合よくは行かないって

事か・・・?」

「いや、だから何を」

「いや、むしろ・・・あいつの相手が出来るのは俺しかいないってこと、自分でも薄々分かってたのかもし

れない・・・だから未練が・・・?」

「だああああっ!いい加減にしやがれっ!?」

「ええっと、ギグだっけ?」

「だっけ?じゃねえ!」

「悪いけどやっぱ無理。ダメット・・・もといダネットの相手が出来るのは、やっぱり俺しかいない」

「・・・何だよそれは・・・」

「おかまいなく」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はあ・・・そんじゃ・・・こりゃ面倒くせぇが手順を踏むしかねぇな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

ブログから転載 2007/02/16