彼の趣味・1 〜悪霊退散〜

 

 

 

「何だ警備の人か……脅かさないでよ」

「岳羽は幽霊関連は駄目か」

「なっ、そんなことないって言ってるじゃない!ちょっとびっくりしただけ」

「聞くか?」

 そう言って彼が差し出したのは常に首に下げている音楽プレーヤー。影時間になると動かなくなってしまうものだ

が、彼はそれを常に持っている。

 そういえば今はまだ影時間ではないのだから当然それも動くはずだ。

 何故差し出してきたのかは分からなかったが、しかし彼が普段どのような曲を聞いているのか興味がわいて、ゆ

かりは差し出されたそれを耳へとあてがった。

 

 

 

 はんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃー

 

 

 

 

「……はんにゃー言ってる……」

「宗派が違うなら別のもあるが。法華経とかも」

「……」

 

 プレーヤーをいじってみれば、入っていたのはお経三昧。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の趣味・2 〜哀悼〜

 

 

 

 荒垣がいなくなって数日が過ぎた。

 彼もまたその人の死を悼んでいる一人だった。

 

 ラウンジに思い思いに過ごしている面々も、どこか覇気がない。

 それは彼にも言えることだった。

 人が隣にいるにもかかわらずプレーヤーのイヤフォンをつけたままソファに座りどこか遠くを見ている。

 傍にいる者であっても、彼に声をかけることは躊躇われた。

 気を紛らわせるかのように大音量でかけられる彼のプレーヤーのイヤフォンからは、始終音漏れが激しい。

 

 

 

 

 はんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃーはんにゃー

 

 

 

 誰も、彼に声をかけることはできなかった。

 荒垣の死を彼なりの形で悼んでいる、彼の肩に声をかけることは……できなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

とりあえず強制終了。

相川さんが悪いんだ。「主人公はお経聞いてる」なんて言うからいけないんだ(笑

だったらOPはどうして普通の曲聞いてたんだよ。気の迷いか(ぇ