《最終兵器彼氏》
僕の妹弟子は召喚師なのに前線で剣を振るう。
その姿はさながら戦場で華麗に舞う戦巫女だ。
僕はいつも彼女のそんな後ろ姿を見つめながら、彼女に守られながら、その戦場に立っている。確かに、強力な
召喚術には集中力が必要であるがゆえに後ろに下がっていなければならない召喚師としての立場からは仕方の
ないことだし、そうしなければならないことは分かっている。
だが、それは僕の本意とするところではない。
僕が彼女を守らねばならない。守りたいんだ。
「あ、はぐれ召喚獣だよっ!!」
「結構数が多いな……皆、気をつけろよ!」
「ネスティ、そっちに行ったわよ!」
「ネス待ってて、今行くから……」
「大丈夫にゃ。トリス」
「―――――にゃ?」
トリスが振り返るとそこにはふさふさ真っ白ねこみみをつけたネスティ。
By ナックルキティ憑依召喚。
ねこみみ。
ネコミミ。
「くらえ必殺、にゃっくるぱ〜〜〜〜〜〜〜〜んちにゃっ!!」
ぽてっ
「にゃっくるき〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っくにゃっ!!!」
ぱこっ
「とどめだ、にゃっくるあっぱ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜にゃっ!!!」
ぺけっ
ダメージ皆無。
純粋培養召喚師であり、もともとのATがノミ以下の彼にとって憑依召喚なんざ効果はないに等しい。あったり前
じゃん。
後に待つのはにっこり微笑むはぐれ召喚獣。
どかばきばこぐしゃべけぼこばきばかぼけべかがこがきばがでごっ
「わああ――――――――ネス―――――――――ぅっ!!??」
「……だから言ったのに。ネスティってば聞かないんだから」
憑依召喚を施した張本人、ミニスが慌てふためくトリスを尻目にため息をついていた。
「……でも。面白いネスティが見れたからこれはこれで……」
影を背負って無気味な笑いをしているミニスに気がついたケイナが引きつり笑いを浮かべていることにフォルテは
気がついてやることができなかった。
⇒某漫画とは一切関係ございません。……なんでこんなの思いついたんだろう……(遠い目